正しい医療、美容知識を身につける。

初めて購入する、医療用品 何を買えばいいか、何が良いのかわからないことが多いと思います。そんな時に少しでも力になれればと思いサイトを制作しております。質問欄を作っておりますので気になることがあれば気兼ねなくご質問ください。

スキンケア用品

生活の中で、保湿が足りず水分が失われて乾燥しガサガサになってしまうこと、逆に皮脂が多く出てしまうこと、保湿のしすぎで逆にニキビができてしまうこと、こういった悩みをよく聞きます。そして、それを改善するために薬局に行っても、ドラッグストアに並んでいるスキンケア用品は種類が多すぎて何を買えばいいのかわからない!そんなあなたのために、スキンケア用品を買う際の基礎知識をこのページでまとめました。

何もつけない皮膚の保湿は何で行われているの?

一般的に、皮膚の自然な保湿する力は皮膚の表面にあります。特に大きく分けて3つです。
生体の保湿機能は以下の3つによって行われています。

  • 皮脂膜:外界との遮断作用
    >トリグリセリド、スクアレン、ワックスエステル、コレステロールエステル
     遊離コレステロール
  • 天然保湿因子:水と結合し保湿力を発揮する
    >アミノ酸、無機塩、糖、ペプチドから作られます。
  • セラミド:構造的に水を蓄え保湿力を発揮する
    主に角層の隙間を埋めています。脂質でありながら、水となじみやすい
    「親水基」という部分を持っています。

安部 正敏:スキンケア 基本の「き」! 保湿剤の種類・剤形の特徴とその使い方,p37

そもそもなんで保湿は必要なの?

  • 化粧水、乳液、クリームを順番につけることによって皮膚のバリア機能を整える!

仕組みとしては、角層に過剰な水分を与えた後、ゆっくり乾燥させると角層の状態が整い、皮膚の状態が良くなることが示され、保湿ケアが皮膚のバリア機能を整えることが示唆されています。

南野美紀:化粧品の種類と使い方,p111

外からの刺激、異物の侵入を防ぐ!

皮脂膜、天然保湿成分、セラミドが不足、欠如することによって、皮膚の表面は“穴の空いたザル”のようになり、外からの細菌などの異物の侵入を許していまします。また、蓋がない状態になることにより皮膚から水分が放出され、乾燥する様になってしまいます。
また、ドライスキンが食物アレルギーを起こすリスクも報告されています。

Leung DY, et al : J Allergy Clin Immunol, 134 : 769779, 2014.
De Benedetto A, et al : J Invest Dermatol, 132 : 949-963, 2012.

  • 乾燥した肌は敏感肌になりやすい!

皮膚のバリア機能が低下すると,神経線維が表皮にまで伸長してしまい、刺激物に対してより過敏に反応する状態になります。

よく聞く敏感肌って実際なんなの?

敏感肌って実際なんなの?」と感じる人は多いと思います。それもそのはず、敏感肌には皮膚科学的に確立された定義がないとされています。

諸説ありますが、参考論文「セラミドに着目した敏感肌のスキンケア」によると、敏感肌は
「健常肌と疾患肌の間」に位置すると捉えています。

よく、皮膚科医が敏感肌と訴える患者の診察で、診断する病名はアトピー性皮膚炎、皮脂欠乏症、酒さ、酒さ様皮膚炎、脂漏生皮膚炎、光線過敏症などがあります。

これらの診断病名がつかない,治療の対象にならない程度の症状や状態を敏感肌といいます。

對間秀利:セラミドに着目した敏感肌のスキンケア,p202

敏感肌にも種類があるって本当??

皮膚生理特性から敏感肌を分類すると、角層のバリア機能低下の有無と、皮脂量の多少によって、乾燥性敏感肌脂性敏感肌感覚過敏肌、さらに脂性、乾燥の2つが合わさったの4つのタイプに分けられます。

乾燥性敏感肌角層のバリア機能が低い
皮脂量が少ない
症状: 乾燥、乾燥に伴う鱗屑、かゆみ、赤み、感覚過敏症状が多く見られる
脂性敏感肌角層のバリア機能が低い
皮脂量が多い
症状: 赤み、かゆみ、感覚過敏症状、時には面皰(にきび)
その他の特徴: 皮脂の分泌量が多く、毛穴が目立つ例が多い
感覚過敏肌角層のバリア機能は正常
見た目: 肉眼的には症状がなく、健常肌と変わらない
特徴: 化粧品やその成分に対してピリピリ感やチクチク感といった刺激感がある
特徴: 顔の部位によって肌質が異なる
Tゾーン(額・鼻): 皮脂量が多く、脂性肌に近い
Uゾーン(頬・あご): 乾燥しやすく、乾燥肌に近い
症状: 部位ごとに異なる肌トラブルが発生しやすい

この4つのタイプの中で自分がどのタイプに当てはまるかを理解することが最も大切なことです。

自分の肌タイプを診断してみましょう!

肌タイプは一定ではなく、年齢によって変化していきます。変化していく要因として例を挙げると

  • セラミド生成能力の減少
    セラミドは皮膚の深部で作られ、それが徐々に皮膚の上層へと上がってくることで保湿力を発揮します。年齢と共に新しい皮膚を作るサイクルが長くなるため保湿力は減少していきます。
  • エストロゲンの産生能力の低下
    年齢を重ねるとともに女性は徐々にエストロゲンの産生能力が徐々に減少していきます。エストロゲンは、セラミドの生成にも関わっているため、セラミド量が減少し保湿力が減少していきます。

そのため、下記の自分の感じている肌タイプ、そして年齢による肌タイプ 
この二つを重ね合わせることで自分の肌タイプをより詳しく知ることができます。

時期年齢肌の特徴
発達期思春期~20代中頃まで混合肌脂性肌が多い
特徴: 思春期から20代にかけて、ホルモンバランスの変化により皮脂分泌が活発ニキビや毛穴の目立ちが主な悩みで、特にTゾーンのテカリが顕著
成熟期25~35歳くらいまで混合肌が多い
特徴: 肌の水分保持能力が徐々に低下し始めるが、皮脂分泌はまだ活発Tゾーンのテカリ頬の乾燥が同時に起こりやすい。
プレ更年期35~45歳くらいまで乾燥肌混合肌が多い
特徴: 肌のバリア機能が弱まり水分保持能力がさらに低下。ホルモンバランスの変化により、皮脂分泌も減少し、乾燥が強くなる傾向がある。
更年期45歳~乾燥肌が非常に多い
特徴: エストロゲンの減少により、肌の水分量と皮脂分泌が大幅に減少。肌が薄くなり、敏感になりやすく、深いシワやたるみが目立つようになる
肌タイプ診断

簡易肌タイプ診断

乾燥している(1点)
やや乾燥している(2点)
普通(3点)
オイリー(4点)
目立たない(1点)
やや目立つ(2点)
目立つ(3点)
非常に目立つ(4点)
低い(1点)
やや低い(2点)
普通(3点)
高い(4点)
ざらざらしている(1点)
粗い(2点)
やや粗い(3点)
滑らか(4点)
ほとんどない(1点)
時々できる(2点)
よくできる(3点)
非常によくできる(4点)
引き締まりがほとんどない(1点)
引き締まりが弱い(2点)
やや引き締まっている(3点)
非常に引き締まっている(4点)
非常に敏感(1点)
敏感(2点)
やや敏感(3点)
低い(4点)

採点表:

各項目のスコアを合計して、以下の診断結果を参考にしてください。

  • 18点以上: 脂性肌
  • 13〜17点: 混合肌
  • 7〜12点: 正常肌
  • 7点未満: 乾燥肌
  • 感受性が2点以下かつ総合スコアが7〜12点の場合: 感覚過敏肌(敏感肌)

皮膚の感受性とは:

皮膚の感受性とは、肌が外部からの刺激に対してどれだけ敏感に反応するかを指します。感受性が高い肌は、以下の特徴を持つことが多いです:

  • 外部刺激への反応: 化粧品、環境の変化、日光などに対して赤み、かゆみ、乾燥、炎症が起こりやすい。
  • アレルギー反応: 特定の成分に対してアレルギー反応を起こしやすい。
  • バリア機能の低下: 外的刺激から守る力が低下し、刺激を受けやすくなる。

⚠️あくまでも簡易検査です。自分の顔の性質、年齢からの方が参考になる場合があります。

肌タイプ別のケアの仕方

最も大事なことは肌タイプに関係なく、スキンケアの基本は「洗顔」「保湿」「UVケア」の3つです。

脂性肌

混合肌

洗顔: 朝、夜とも洗顔料を使いしっかり行いましょう。
基本的には脂性肌にている状態のことが多く、対応は脂性肌に準ずることが多いです。

保湿: 皮脂のコントロールを行いながら、十分な保湿を行うことが大事になってきます。
ただし、ただし、油分の多いものはニキビのリスクがあるため、「ノンコメドジェニック」と表記のあるものを選ぶといいでしょう。

ノンコメドジェニック皮脂で毛穴が詰まった状態が発生しにくいように作られている化粧品のこと

皮脂多めの場合 保湿剤を選ぶ基準 その1

  1. ナイアシン:皮脂の過剰分泌抑制
  2. アゼライン酸 :皮疹の過剰分泌抑制、角化抑制効果、抗菌・抗炎症作用
  3. ピーリング系
     サリチル酸:角質を溶かして、毛穴詰まりを防ぎ、ニキビの予防をします。
     グリコール酸:サリチル酸と同様の効果がありさらに色素沈着を防ぎます。
     乳酸マイルドなピーリングで保湿の役割も持ちます。

皮脂多めの場合 保湿剤を選ぶ基準 その2

  1. オイルフリーまたは軽めの油分: 過剰な油分は避け、皮脂の分泌を抑える成分が含まれているものを選びます。
  2. ノンコメドジェニック製品: ニキビのリスクを避けるために、ノンコメドジェニック(毛穴を詰まらせない)と表示された製品を選ぶことが重要です。
  3. 角質ケア成分: サリチル酸、グリコール酸、乳酸などの角質ケア成分を含む製品は、毛穴詰まりを防ぎ、新陳代謝を促進し、皮膚のターンオーバーを助け、ニキビの改善に役立ちます。
  4. 保湿と炎症抑制: アゼライン酸やナイアシンアミドのように、保湿とともに抗炎症効果を持つ成分を含む保湿剤を選ぶと良いでしょう。肌のバリア機能を強化し、ニキビの炎症を抑えることができます。

乾燥肌(ドライスキン)

洗顔: 朝、夜とも行いましょう。朝晩の洗顔料を使った洗顔は必要ですが、夜はぬるま湯での洗顔のみでも大丈夫です。洗顔料をしっかり泡立ててから洗いましょう。

保湿: 特に乾燥しやすい口元や目元には、乳液やクリームの上からワセリンを重ねることで、水分の蒸発を防ぎます。乾燥肌には保湿が最優先事項であり、重ねづけによる保湿が効果的です。

乾燥肌の場合 保湿剤を選ぶ基準 その1

  1. ヒアルロン酸: 肌に水分を蓄え、柔らかさと潤いを保ちます。
  2. グリセリン: 吸湿性が高く、環境から水分を引き寄せて肌に保持します。
  3. セラミド: 肌のバリア機能を強化し、外部刺激から肌を守りつつ、潤いを長時間保ちます。
  4. ワセリン: 肌の表面を保護し、水分の蒸発を防ぐため、他の保湿剤と組み合わせるとさらに効果的です。

感覚過敏肌

洗顔: 朝、夜とも行いましょう。
洗顔料は使用しても良いですが。洗顔料をしっかり泡立ててから洗いましょう。

保湿: シンプルなスキンケアを使うことをおすすめします。

感覚過敏肌の場合 保湿剤を選ぶ基準 その1

  1. ヒアルロン酸: 肌に水分を蓄え、柔らかさと潤いを保ちます
  2. セラミド: 肌のバリア機能を強化し、外部刺激から肌を守りつつ、潤いを長時間保ちます。

感覚過敏肌の場合 保湿剤を選ぶ基準 その2

選べる成分は他にも多数ありますが、避けるべき成分を覚える方が早いかもしれません。

  • 成分表を確認: 刺激性の強い成分(例: アルコール、香料、着色料、パラベン、サリチル酸、グリコール酸など)が含まれていないか確認することが大切です。
  • 低刺激性の表記: 「低刺激性」「敏感肌用」などの表記がある製品を選びましょう。
  • 試用: 新しい製品を使う前にパッチテストを行い、自分の肌に合うかどうかを確認してください。例えば、可能なら1週間ほどおでこの端で試し塗りしてみてくだい。

普通肌

洗顔: 朝、夜とも洗顔料を使って行いましょう。日焼け止めや、メイクアップをしている場合はクレンジング、洗顔料両方を用いた洗顔をおすすめします。

保湿: 季節に分けて、さっぱりとした物からしっとりとしたものを使い分けていきましょう。

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